薬を常用していても全身脱毛は可能か|脱毛中に気を付けたい薬の飲み方

公開日:2018/08/24 更新日:2019/03/08

全身脱毛を希望して脱毛サロンの無料カウンセリングを受けると、現在服用している薬の種類や持病に関して必ず質問されます。

肌に光を照射するだけなのに、どうしてそんなことを聞くの?と疑問を覚える人も多いと思います。

なぜ、脱毛サロンでは薬や病気に関して質問をするのか? そして、脱毛サロンに通っている間は薬の服用ができないのか? 

今回は、そうした疑問にお答えするために、脱毛ができない、あるいは控えた方が良いとされる病気や症状について詳しくご紹介します。

薬を服用して脱毛すると危険

まず、なぜ薬を服用して脱毛をすると危険なのかを、詳しく説明していきます。

症状を悪化させる可能性がある

脱毛サロンで行っている「光脱毛」では、クリプトンライトやキセノンランプといったライトから光を肌に照射し、その光は毛の黒い色素(メラニン色素)に反応し、熱を発生させ、毛根にダメージを与えます。

通常、脱毛に使用する光の熱量は肌に照射しても問題のないレベルに抑えられているので、赤みや炎症などが起こったとしても、悪影響が生じる可能性はそう高くはありません。

しかし、薬を服用した状態で光を照射すると、薬の成分によって肌にひどく赤みが出たり、やけどをしたような跡になってしまったりする可能性があります。

医療脱毛クリニックとは異なり、脱毛サロンには医師が常駐していないため、不測のトラブルがあってもすぐに対応することができません。そうした事態を未然に防ぐためにも、薬を服用している状態での脱毛は避けた方が賢明と言えます。

服用していると脱毛できない薬はこちら

どのような薬を服用していると脱毛ができないのでしょうか。以下に、代表的な薬の一覧をご紹介します。

これらは専門的な病気や症状に対して処方される薬で、服用している人は基本的に脱毛を行うことができません。

脱毛不可薬 成分名 薬品名 主に処方される病気
抗菌剤 レボフロキサシン クラビット 細菌感染症に適応があり、肺炎、急性気管支炎、乳腺炎、喉頭炎や扁桃腺、膀胱炎など。
ステロイド剤 ベタメゾン吉草酸エステル リンデロンV 湿疹、皮膚炎、乾癬など。
(細菌、真菌などの感染による炎症には原則用いられない)
ヒドロコルチゾン酢酸エステル ロコイド 湿疹、皮膚炎、乾癬など。
抗生物質 クロトリマゾール クロトリマゾールジェル 真菌の増殖を抑える効果があり、カンジタ症、水虫、いんきんたむしなど。
抗精神病薬抗うつ剤 パロキセチン パキシル うつ病、うつ状態、社会不安障害、外傷後ストレス障害、パニック障害、強迫性障害など。
デュロキセチン サインバルタ うつ病、うつ状態など。
抗ヒスタミン剤 エピナスチン
セチリジン
ロラタジン
アレジオン
ジルテック
クラリチン
花粉症などのアレルギー症状の緩和のほか、睡眠薬、乗り物酔いなど。
抗がん剤 パクリタキセル アブラキサン 乳がん、胃がん、非小細胞肺がん、すい臓がんなど。
ベバシズマブ アバスチン 大腸がん、肺がん、乳がん、卵巣がんなど。
利尿剤 D-マンニトール
フロセミド
アセタゾラミド
ラシックス
セララ錠
サムスカ錠
心不全や高血圧などの重篤な症状や、緑内障やメニエール病。
血糖降下薬 グリベンクラミド
グリメピリド
オイグルコン
アマリール
糖尿病。

同じ成分から作られていても、薬品名が異なるケースなども多々あるため、薬を服用している方は必ずかかりつけの医師や薬剤師に「脱毛を受けても問題がないか」を確認するようにしてください。

また、薬を服用しているということは、体調が良くないということです。そのような時は、普段と同じ処理を受けても炎症などのトラブルが生じやすくなります。

体調が優れない時は無理をせず、薬を飲まなくても良いぐらいに体が回復してから脱毛を始めるようにしましょう。

低用量ピルを処方されている場合

低用量ピルには、避妊薬としての働きだけでなく、生理痛のつらい症状の緩和やPMS(月経前症候群)の軽減、子宮内膜症の予防などの効果があります。そのため、避妊目的以外にも日常的に低用量ピルを服用している人は少なくありません。

しかし、低用量ピルには毛量の増加や色素沈着などの副作用があり、服用中は脱毛を断られるケースも多いとされています。

事前にしっかりと相談を行えば施術を受けられる場合もありますが、脱毛サロンのスタッフは医療従事者ではありません。低用量ピルの処方を受けたかかりつけの医師に脱毛をしている、もしくは脱毛を考えているという旨を伝えて、可否を確認した方が良いでしょう。

また、医師によっては、脱毛をしても問題のない薬に処方を変えてくれる場合もありますので、相談してみてください。

市販薬を飲んでしまった場合の注意点

市販の風邪薬や花粉症の薬も要注意

軽い風邪やアレルギーの症状が出ているときは、ドラッグストアで手軽に購入できる市販薬を服用するという人も多いかと思います。

しかし、そうした市販薬のなかにも、成分によっては、服用中に光を照射することで、肌荒れを起こしたり、やけどのような症状が皮膚に現れたりするケースがあります。

市販薬だから大丈夫だろうと油断することなく、脱毛の前後に服用する場合は、かならず薬剤師に用法・用量や服用時の注意点などを確認しておきましょう。

うっかり薬を飲んでしまったら

脱毛の前にうっかり薬を飲んでしまった場合でも、ある程度の時間を置けば脱毛が可能になるケースがあります。

例えば、1日3回服用の薬であれば、服用してから6~8時間経つと血中濃度が下がり始め、効果がなくなると言われています。つまり、8時にうっかり風邪薬などを飲んでしまったとしても、脱毛の予約が薬効の弱まる14~16時以降であれば、処理は可能です。

ちなみに、1日2回服用の薬であれば12時間、1日1回服用の薬であれば24時間を目安に考えてください。

薬剤管理の業務を行っている薬局グループ「有限会社ハートフルケア」のお薬Q&Aでは、薬の効果に関して以下のように示されています。参考にしてください。

頭痛などの鎮痛剤として使用されるロキソニン錠の例

ロキソニン錠が効くまでの時間 30~60分
ロキソニン錠の効果持続時間 5~7時間
ロキソニン錠の一般的な飲み方 1回1錠1日3~4回

アレルギー症状に使用されるアレジオン錠の例

アレジオン錠が効くまでの時間 30分程度
アレジオン錠の効果持続時間 24時間
アレジオン錠の一般的な飲み方 1回1錠1日1回

薬の服用を忘れて照射を受けてしまったら

万が一、薬を飲んだことを忘れて照射を受けてしまった場合は、皮膚や体調に変化がないかを落ち着いてチェックしましょう。

体調が悪くなったり、皮膚に異常が見られたりする場合は、速やかに医師の診察を受ける必要があります。受診する科は、体調不良であれば内科、皮膚の異常であれば皮膚科が良いでしょう。

また、受診の際は飲んだ薬の箱や添付文書を持参すると診察の助けになります。

薬を飲んでしまった時の対処法を人気脱毛サロンに聞いてみた

薬の服用に関しては、脱毛サロンによっても対応が異なります。そこで、人気の脱毛サロン3社に電話をして、薬の服用に関して聞いてみました。

質問をした内容は以下の5点です。

1.生理痛や頭痛がつらいのですが、全身脱毛に通っている間は薬を飲んではだめですか?
2.脱毛の予約日に薬を飲んでしまった時はどうしたらいいですか?
3.どんな薬なら服用してもいいですか?
4.絶対に脱毛を受けられない薬はありますか?
5.薬の服用を内緒にしていて、肌トラブルがおこった人はいますか?

銀座カラーの対応

薬の服用に関して、処方薬の場合は、光脱毛に影響があるかどうかをかかりつけの医師にご確認いただくようお願いしています。

市販薬の場合には肌荒れや色素沈着などのトラブルが起こる危険性があるため、処理当日の服用は禁止とさせていただいております。

湿布薬は処理前日から使用を控えていただき、当日の肌状態に問題がなければ照射可能です。

塗り薬はステロイド剤などの成分が配合されているものは、処理の10日前程度から使用を控えてください。使用を継続している箇所は、その部分を避けて全身脱毛を行わせていただきます。

全体的には、市販薬を飲む程度であれば、処理当日の服用のみ避けていただければ問題ありません。

一方、処方薬を服用中で、特にてんかん、光アレルギー、心疾患などの持病をお持ちの方は、薬を服用しなくても大丈夫という状態になるまでは、脱毛をお断りしております。

一概に「この薬だから大丈夫」というのは、お電話ではなかなか判断がつかないため、かかりつけの医師にご相談いただくか、初回の無料カウンセリングにご来店の際に、担当スタッフまでお伝えください。

シースリーの対応

風邪や花粉症の薬の場合は、脱毛の予約時間が、薬を服用してから8時間程度空いていれば、基本的にはお手入れは可能です。

持病の薬など医師が処方する薬に関しては、担当の医師に光脱毛を行っても良いかの確認をお願いしております。

シースリーは医療機関ではないため、その薬が脱毛に影響がないかどうかの判断はできません。場合によっては、医師の同意書などの提出をお願いすることもあります。

薬に関する詳しい内容については、無料カウンセリングでスタッフにご相談いただければと思います。市販薬の場合は、外箱などを持ってきていただくと薬に含まれる成分が分かるため、服用しても良いかどうかの判断をつける助けになりますのでお持ちください。

脱毛をしたいというお客様のお気持ちはとても分かりますが、薬の服用中に無理をして脱毛すると、思わぬ肌トラブルを引き起こす可能性があります。そうした事態を避けるためにも、薬を服用しなくても大丈夫な、元気な状態になってからのお手入れをお願いできればと思います。

シースリーは脱毛し放題なので回数や期間に制限がなく、ふいの体調不良でしばらくお休みされてからでも、安心して通っていただけます。

キレイモの対応

市販薬に関しては、照射日からさかのぼって3日前に服用された、もしくは服用する予定がある場合は、予約を変更していただいた方が良いかと思います。

処方薬に関しては、脱毛予定日の1週間前に服用された場合、もしくは服用する予定がある場合は、処理をお断りさせていただいております。ただし、医師の同意書をご提出いただければ、照射は可能です。

薬に関しては、どれが良くてどれがダメというお答えは一概には言えませんので、やはり薬の名前や成分などをお伺いしての返答になってしまいます。

持病をお持ちで、日常的にお薬を服用されている場合は、事前に医師に確認をしていただき、同意書をご提出ください。

少し体調が悪いという程度の場合でも、脱毛のお手入れをしたことで悪化するケースがあります。体調を整えていただいてからお手入れをさせていただければと思います。

脱毛の痛みを和らげるために痛み止めを飲むのはNG

脱毛をする時の痛みが怖いので、事前に痛み止めを飲んでおきたいという人もいますが、脱毛前に鎮痛剤を自己判断で服用するのは絶対におすすめできません。

痛み止めを服用したことにより、施術後に皮膚が赤く腫れてしまうなど、思わぬトラブルを引き起こす可能性があるからです。

脱毛時の痛みは、保湿をしっかり行うこと、カフェインを含む飲み物を避けること、生理前後の脱毛は控えることなどで軽減できます。

また、どうしても痛みが苦手という場合は、照射する光の出力を低めに設定してもらうことも可能です(※店舗によって対応は異なります)。

薬には必ず副作用があることを肝に銘じ、安易な服用は避けるようにしましょう。

この記事のまとめ

一見無関係そうな全身脱毛と薬の服用ですが、実は密接な関係にあるということがお分かりいただけましたでしょうか。

通常はなんの問題もないような処理でも、薬を服用することによって、思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。

特に、デリケートなゾーンも含め、全身に光を照射する全身脱毛では、薬の服用だけでなく、そのときの体調など、些細なことがトラブルのもとになるということを、是非とも覚えておいていただければと思います。

繰り返しになりますが、持病があって日常的に薬を服用している人や、脱毛の数日前〜当日にかけて風邪薬やアレルギー薬などの市販薬を使用した人は、処理を受ける前に、必ずサロンのスタッフに相談をするようにしましょう

この記事を書いた人
bythos
bythos
ライター歴15年。美容グッズや健康食品から、医療・美容関連などのライティングはお任せ。脱毛に関しても、脱毛サロンから医療脱毛まで幅広く網羅し、初めての人にも読みやすい記事を心掛けています。