脱毛が原因でできるブツブツは毛嚢炎?注意点や対処法教えます

公開日:2018/05/01 更新日:2019/03/28

ムダ毛の自己処理をした後、気がつくと肌にブツブツができていた、という経験はありませんか?ケアを怠ると、自己処理の時だけでなく、クリニックやサロンで脱毛した後にも出てきます。

このブツブツ、見た目はニキビと非常に良く似ていますが、これは「毛嚢炎」と呼ばれているものです。痛みやかゆみが無く、自然に治る軽度のものから、病院で治療が必要になる重度に至る場合もあります。

ここでは、そんな毛嚢炎とニキビの違いや見分け方、できてしまう原因や対処法に関してお伝えしていきます。

毛嚢炎(もうのうえん)ってなに?

毛嚢炎は、毛包に細菌が感染することで起きる炎症です。別名「毛包炎(もうほうえん)」とも呼ばれています。毛包は、毛穴の奥で毛根周辺を包んでいる部分のことです。

毛包が傷つくことや肌が弱っていること、肌の湿った状態が長く続いて不衛生になることが発症の原因です。無理に毛を引き抜いたり、処理後のアフターケアを行わなかったりなど、ムダ毛処理後に発症することが多いです。

症状としては、赤くプツプツしているか、真ん中が膿(うみ)を持って白くなり、周囲が赤みを帯びているような見た目です。かゆみは無く、軽度だと痛みを感じることはありません。

ただし、膿の部分が硬く芯を持った感じになると、少し痛みを感じるようになります。さらに悪化すると、手術で切開しないと取り出せないほど膿が溜まってしまうこともあります。

毛嚢炎とニキビの違いとは?

毛嚢炎とニキビは見た目が似ているため、間違えてしまう人も多くいます。

特にニキビの初期症状である白ニキビと非常に良く似ていることや、よくある肌トラブルがニキビであることも間違える原因と考えられます。

毛嚢炎もニキビも、毛穴の奥に細菌が入り込むことで発症しますが、原因菌はそれぞれ全く違います。そのため、ニキビ用の塗り薬を使用しても毛嚢炎の改善は期待できません

病名 主な原因菌 肌状態 特徴
毛嚢炎 黄色ブドウ球菌
表皮ブドウ球菌
肌が傷つき、毛穴にある毛包がダメージを受けることで起きやすい ・周りが赤く腫れている
・炎症で膿が生じると白いプツプツになる
・白いプツプツの周りは赤く腫れている
ニキビ アクネ菌 ホルモンバランスの影響で皮脂分泌が過剰になり、詰まった毛穴にできやすい ・周りは腫れていない
・できはじめの時には白いプツプツが起こる。白いモノの正体は皮脂が固まったもの(白ニキビを呼ばれる)
・白ニキビの時点では、炎症していないので、周りは赤く腫れていない

毛嚢炎になりやすい状況はあるの?

先程も説明した通り、毛嚢炎になりやすいのは主に以下のような状態と時です。

・毛包が傷ついている
・肌が弱っている
・長時間湿った状態で不衛生

具体的に、どうすると上記のようになるのか見ていきます。

毛包が傷つく原因

最も考えられるのが、ムダ毛の自己処理です。

カミソリでの深剃り、毛抜きやブラジリアンワックスで無理に毛を引き抜く時などに、毛包は傷つきます。傷があると、そこから菌が入り込みます。

例えばカミソリが不衛生だと、刃の部分に菌が繁殖してしまうので、肌を傷つけながら菌を入り込ませることになってしまいます。

肌が弱る原因

こちらはいくつか原因がありますが、やはりムダ毛処理は肌を弱らせてしまいます

カミソリでの自己処理の後、保湿などアフターケアを行わないと肌のバリア機能が低下してしまいます。肌への刺激が強い除毛クリームの使用後も、アフターケアは必須です。

また、サロンの光脱毛やクリニックでの医療レーザー脱毛も、肌や毛包に少なからずダメージを与えて弱らせています。

照射当日は入浴や飲酒、激しい運動は控えるようにと言われることがほとんどですが、照射部位の血行が良くなると火照ってかゆくなりがちです。

かゆみを我慢できずに引っ掻いてしまい、傷を作ってしまうと菌の侵入を助けることになってしまいます。

ストレスや生理によるホルモンバランスの変化でも、肌のバリア機能が低下します。生理前や生理中、肌が敏感になるのもこのためです。

その他、ステロイド剤の使いすぎで肌の免疫力を下げてしまうことや、アトピーなどの慢性的な皮膚疾患を持っていることも原因となります。

さまざまな要因がありますが、「肌が弱った状態=バリア機能が低下した状態」であると、菌が入りやすく、繁殖しやすくなります。

長時間湿った状態が続く原因

運動している時や暑い時期などは、汗をかいて衣服が湿った状態が続きます。脇や背中は特に汗をかきやすく、湿気が多くなりがちです。

高温多湿な状態は雑菌が繁殖するのに最適な環境のため、長時間この状態が続くのは不衛生です。

また、女性はデリケートゾーンが蒸れやすくなります。特に生理中は、長時間同じナプキンを使っていると蒸れるだけでなく雑菌も繁殖しやくなるので、毛嚢炎のリスクが高まります。

毛嚢炎の治し方は?

ブツブツが少ない場合や、白い膿があっても小さい場合は自然に治るのを待ちます。日を追うごとに改善されていれば、薬を塗るなどの必要もありません。

この時、毛嚢炎を繰り返さないためにも、膿を自分でつぶすのは絶対にNGです。膿に含まれている菌が他の部位に広がって周りの毛穴に感染したり、傷あとが残って消えなくなったりする可能性があります。

また、あまり改善されないので市販薬を使用したいという場合、毛嚢炎に効果が高いと言われている「フルオシノロンアセトニド」が配合されている軟膏などを購入するようにしてください。

しかし、毛嚢炎に対して効果があるとされる薬には、ステロイド剤が含まれてるものも多くあります。例えば「フルオシノロンアセトニド」は、ステロイド剤の中でも、市販薬での強さの分類で3段階中一番強いとされる成分です。

高い効果が期待できますが、長期間使用すると副作用も心配されます。説明書に記載されている使用方法をしっかり守り、一定期間使っても効果が感じられない場合は早めに病院に行くようにしてください。

皮膚疾患だけでもさまざまな種類の市販薬があり、使える部位に指定がある場合もあるので、購入する際は自己判断せずに必ず薬剤師や登録販売者に相談してください。

赤みがひどい、ブツブツが大きくの範囲が広い、次々にたくさんできる場合などは、市販薬での改善は難しいので病院で診察を受けるようにしましょう。治療方法としては、抗菌薬の服用や塗り薬の処方が一般的になります。

毛嚢炎は、化膿がひどくなると跡が残ることがあります。また、重症になると手術で切開しないと膿を出せない場合もあります

毛嚢炎は長くても1週間程度で治ることがほとんどなので、症状に改善が見られないときは迷わず病院に行くようにしましょう。適切な処置をしないと、菌がいつまでも残り、毛嚢炎がクセになり発症を繰り返すようになってしまいます

毛嚢炎ができたらどこを受診したらいいの?

医療レーザー脱毛の場合

医療レーザー脱毛の場合は、基本的に通っているクリニックで治療となります。

クリニックにより、脱毛が原因の皮膚トラブルに対して手厚い保証があります。例えばリゼクリニックレジーナクリニックトイトイトイクリニックなどは、毛嚢炎になった際の治療費や薬代などは一切無料となっています。

光脱毛の場合

サロンでの光脱毛の場合、毛嚢炎にかかってしまったらまずサロンに相談します。

サロンは医療機関ではないため、その場で治療はできず、薬の処方もできません。提携している病院を紹介され、そこで治療する流れになります。

保証に関してはサロンによって違ってくるので、気になる場合はカウンセリング等であらかじめ聞いてみると良いでしょう。

自己処理の場合

家庭用脱毛機や自己処理で毛嚢炎を発症してしまった場合、軽度であれば清潔を保ちながら様子を見ます。

何度もお伝えしています、もし毛嚢炎が次々とまわりに広がってしまう、市販薬を使っても1週間以上改善の様子が無いなどであれば、病院を受診しましょう

受診する科は、基本的には皮膚科です。陰部に近いところにできてしまった場合は、皮膚科でも受診はできますが、診療台などが整っている婦人科がおすすめです。

毛嚢炎ができやすい部位は?

毛穴があるところには、どの部位でもできる可能性があります。

特にできやすいのは、毛穴が大きい部位(=毛が太い部位)であり、汗をかきやすく蒸れやすい部位、つまりワキ、デリケートゾーン、背中、胸元です。

皮脂腺が多い場所にも毛嚢炎は起こりやすいため、脂性肌の人はおでこなど顔にできる可能性もあります。ただ、この場合はニキビと非常に見分けがつきにくいです。

その他、衣服が擦れて肌が弱りやすく汗がこもりやすい、首の後ろやビキニライン、太ももなども毛嚢炎ができやすい部位と言えます。

自分でできる!毛嚢炎対策

肌を清潔にキープする

まずは、雑菌が繁殖しない肌環境を作ることです。

特に夏場など、汗をよくかく時期は汗をこまめに拭いたり、通気性が良く乾きやすいインナーを着用するようにしてください。

運動などでたくさん汗をかいた後は、シャワーを浴びて着替えるなど、汗で肌が湿った状態を長時間放置しないことも大事です。

デリケートゾーンのような通年蒸れやすい部位は、通気性のよい自然素材の下着を着用するようにし、ナプキンはこまめに取り替えこまめに風を通すようにするなど、清潔な状態をキープできるようにしましょう。

正しいムダ毛処理を行う

女性に多いのは、間違ったムダ毛の自己処理が原因の毛嚢炎です。

自己処理によく使われ、手軽に手に入るカミソリですが、管理や使い方を間違えると広範囲に毛嚢炎を引き起こす恐れがあります。

カミソリを使用後、十分に洗浄せずお風呂場などに放置しておくと、刃に雑菌が繁殖します。カミソリはムダ毛を剃ると同時に少なからず肌を傷つけているので、そこから菌が侵入します。深剃りすると傷も深くなりがちなので、余計に菌を入り込ませてしまいます。

カミソリを使用する場合は、毛の流れに沿ってなるべく肌を傷つけないようにし、使用後は綺麗に洗って乾燥させるようにします。

毛抜きやブラジリアンワックスは毛包周辺を傷つける可能性が高いので、もしこのような方法でムダ毛処理を行った場合は、特に肌を清潔に保つよう注意しましょう。

一番肌に優しいムダ毛処理方法は、電動シェーバーです。サロンやクリニックで脱毛する場合、照射前には必ず自己処理をしますが、電動シェーバーを使うことをおすすめしている場合が多いです。

自己処理後はもちろん、サロンやクリニックでの脱毛後は、アフターケアをしっかり行い肌を保湿します。

肌の免疫力=バリア機能を高める

肌のバリア機能には、普段の生活習慣も大きく関わっています。

バランスの良い食事をとることや、規則正しい生活を送ることが、良い肌環境を作りだします。

また、肌が乾燥することもバリア機能を弱らせる原因になってしまうので、ムダ毛処理の有無に限らず保湿ケアを行うようにします。バリア機能を高めることで、菌が侵入する隙を無くします。

バリア機能は、ホルモンバランスや体調に左右されやすいです。バランスが乱れがちな生理前〜生理中や、体の免疫力自体が落ちている体調不良の時は、ムダ毛処理や脱毛のような肌に負担のかかることは控えるようにしましょう。

この記事のまとめ

毛嚢炎は、ムダ毛処理や脱毛をした後に起こりやすい肌トラブルです。ほとんどが軽度のものなので、肌を清潔に保ち保湿を行なっていれば、自然と治っていきます。

しかし、全く改善しない場合や、範囲が広く数も多い場合などは、皮膚科を受診する必要があります。

予防するには、肌を清潔に保つこと、正しいムダ毛処理を行うこと、保湿を心がけることに加え、菌に負けない免疫力を持つ肌を作っていくことにあります。

せっかく脱毛でツルツル肌を目指していたのに、毛嚢炎でブツブツに…なんてことにならないよう、普段から肌のケアに注意しましょう。

この記事を書いた人
kino
kino
美容・ファッション系の記事を多く書いていますが、中でも脱毛分野が最も得意です。ムダ毛コンプレックスに長年悩まされた経験から、自己処理から医療脱毛まで幅広く書いています。現在は女の子2人の子育て中で、子どもの脱毛についてもアンテナを張っています。