自己処理でおこるカミソリ負けの赤みやかゆみの原因と対策

脱毛サロンや医療脱毛クリニックに行く前には、必ず自己処理として、ムダ毛の処理をしなくてはなりません。
しかし、誤った方法で自己処理をしてしまうと、肌の状態が悪いと判断され、医療レーザーや光の照射を断られてしまうケースもあります。
そうした場合の多くは、カミソリによる自己処理によるもので、肌がカミソリ負けを起こしてしまっているのです。また、通常のT字やI字のカミソリだけではなく、脱毛サロンや医療脱毛クリニックで推奨されている電気シェーバーを使っているのにも関わらず、カミソリ負けを起こすケースもあります。
せっかく脱毛に行ったのに「脱毛できない」などと言われないよう、カミソリ負けを起こさない自己処理方法と、すでにカミソリ負けを起こしてしまった場合のケアの方法を紹介します。
カミソリ負けってどんな状態?
カミソリ負けとは、カミソリを使用した後に肌にトラブルが生じた状態を指します。そのトラブルの症状はさまざまであり、以下の項目に当てはまる人は、カミソリ負けを起こしている可能性があります。
・カミソリを使用した部分が赤くなり、ほてるなどの炎症を起こしている
・カミソリを使用した部分に化粧水を塗るとしみる
・カミソリを使用した部分にかゆみがある
・カミソリを使用した部分がうっすらと出血している
・カミソリを使用した翌日に湿疹ができた
特に、「カミソリを使用する前は異常がなかったが、使用後に肌がヒリヒリする」という症状は、カミソリ負けの中でもよく見られるものです。
カミソリの使い方や肌のケア次第で、防ぐことが可能です。この後の【カミソリ負けの症状とケアの方法】で詳しく説明します。
カミソリ負けになる原因は7つもある!
カミソリ負けになる原因はなんと7つもあるんです。しかし、そのどれもがカミソリそのものが悪いと言うよりは、正しい使い方をしていなかったり、アフターケアの方法が悪かったりというケースが少なくありません。
ここからは、カミソリ負けのメカニズムと、その対処方法をあわせて紹介していきます。
カミソリの正しい使い方を知りたい人は【中学生でもできる!簡単便利で正しいカミソリでのムダ毛処理方法】を確認してください。
カミソリが古く刃にサビなどができている
カミソリは古くなると切れ味が悪くなり、その摩擦の影響で肌に余計な負担がかかります。その結果、肌がダメージを受け、擦れや赤みを発症してしまいます。
また、刃が錆びているカミソリを使うと、ダメージを受けた肌からサビに付着していた雑菌が入り込み、炎症を引き起こす恐れもあります。
最低でも月に1~2回はカミソリの刃を変えるようにしましょう。常に新しいものを数枚ストックしておくと、気が付いたときにすぐに刃を交換することができます。
肌に何も塗らずそのまま剃っている
カミソリでムダ毛を処理すると、ムダ毛と一緒に肌の表面(角質層)までも削り取ってしまっています。
カミソリによって角質層が削り取られた肌は、バリア機能が低下し、乾燥や肌トラブルを引き起こしやすくなります。肌に何も塗らず、そのままカミソリでムダ毛を剃ることは絶対に止めてください。
カミソリを肌にあてる前に、シェービングクリームやシェービングジェルなどのプレシェーブ剤を塗り、肌を保護するようにしましょう。
プレシェーブ剤の多くは毛を柔らかくする成分も含まれているため、滑らかにムダ毛を剃ることもできます。
カミソリで処理をする際、石鹸などを使用する人もいますが、カミソリの滑りを良くし過ぎてしまい、逆に肌を傷つける恐れがあるため、使用は避けた方が賢明です。
同じ場所を何度も剃る
同じ場所を何度も剃る行為も、カミソリ負けの原因となります。
一度のカミソリ処理でも、肌にとっては大きな負担になっています。それを、何度も繰り返し同じ場所を剃ってしまうと、肌にダメージが蓄積され、赤みや炎症などさまざまな肌トラブルを引き起こしかねません。
なるべく一度で処理を済ませることが大切です。
毛の断面が気になる場合は、毛の成長を抑制する抑毛剤を使用することをおすすめします。抑毛剤には、イソフラボンなど女性ホルモンと似た働きをする成分が配合されており、ムダ毛を目立たなくする効果が期待できます。
さらに、抑毛剤に多く含まれているイソフラボンには、毛を柔らかくする効果もあると言われています。伸びかけのチクチクした状態も防いでくれます。
毛の流れに逆らった逆剃りをしている
毛の流れにしたがってムダ毛を処理する方法を「順剃り」、毛の流れに逆らってムダ毛を処理する方法を「逆剃り」と言います。
毛が濃くて太い人の場合、順剃りだけではムダ毛を処理しきれず、逆剃りをしているという人も少なくありません。しかし、何度も逆剃りを繰り返すと、かなり肌に負担がかかってしまいます。
毛が太かったり、毛量が多かったりする人の場合には、どうしても逆剃りが必要になってしまいます。
最初から逆剃りをするのではなく、順剃りをした後に逆剃りという正しい手順を守ることが重要です。
逆剃り自体は絶対にNGというわけではありませんが、最初から逆剃りばかりをしていると肌に負担がかかってしまうので要注意です。
肌が乾燥しているなど、肌コンディションが悪い
肌のコンディションも、カミソリ負けには大きく影響します。肌が乾燥しているとカミソリがスムーズに滑らず、角質層を削り取るリスクが大きくなります。
また、風邪気味のときや生理のとき、体調不良のときなど肌が弱っているときは、普段より肌トラブルが起きやすくなります。
肌が乾燥していると感じた時には普段よりもしっかりと保湿を行ってください。
体調不良のときは回復するまでカミソリの使用を控えるなど、肌コンディションを悪化させないようにしてください。
入浴時に浴室内で剃っている
入浴時、体を洗うついでに浴室内でムダ毛を処理している人も多いと思います。しかし、浴室は高温多湿であり、雑菌が繁殖しやすい空間です。
また、浴槽内には驚くほどの雑菌が繁殖しています。普段なら何でもない雑菌も、カミソリで処理をした後の肌には刺激が強く、目に見えない傷口から雑菌などが入り込む可能性が高いです。
カミソリを浴室内で保管している人もいますが、湿度が高いので刃がさびやすく、肌を傷つけたり、傷口から雑菌が入って炎症や化膿を引き起こす可能性が高くなります。
さらに、先ほど少し伝えたように、シェービングクリームやジェルの代わりに、石鹸やボディソープを使用している人は多いようですが、使用しないことをおすすめします。
石鹸やボディソープはカミソリの刃が滑りやすくなり、必要以上に肌の皮脂を取り除いてしまいます。また、界面活性剤が含まれているため、肌をふやけさせ、うっかり切ってしまうなどのケガのリスクも高くなります。
浴室内での処理は極力控えるようにしましょう。もし、家族など一緒に住んでいる人に見られたくないという場合には、石鹸やボディソープは使用せず、シェービングクリームやジェルなどを塗って処理をしてください。
そして処理後はシャワーなどで流し、浴槽には絶対にはいらないでください。
できれば入浴後に、洗面スペースなどで処理を行うことをおすすめします。
カミソリ後のケアをしていない
カミソリでムダ毛を処理した後、何のケアもせずにそのまま放置することは、カミソリ負けを助長することに繋がります。
たとえ、上質なカミソリを使い、正しい手順通りの処理を行ったとしても、少なからず肌はダメージを受けています。カミソリ負けを予防するためには、処理の後のケアをしっかりと行う必要があります。
処理を行った後には、保湿クリームや保湿剤をしっかり塗り込み、アフターケアを行ってください。その際、できるだけ無添加で低刺激の、肌に優しい成分が配合されている製品を選ぶようにするのもおすすめです。
カミソリ負けの症状とケア方法
前項までは、カミソリ負けを起こさないための対処法を紹介しました。しかし、今まさにカミソリ負けを起こしてしまっている人もいるかもしれません。
そこで、もう起こってしまっているカミソリ負けの症状と、そのケア方法をお伝えします。
肌がヒリヒリと赤くなり痛痒くなる
カミソリ負けの原因は、カミソリでムダ毛を処理する際に肌にできた目に見えない細かな傷です。
特に顔や手の甲は、他の部位に比べて皮膚が弱いため、よりカミソリの影響を受けやすいと言われています。
また、足のスネ(ヒザ下)などは面積、骨に近く処理がしやすいために、余計な力を入れてしまい、肌を削りすぎてしまうことが多いです。
肌がヒリヒリと赤くなり痛痒くなったときのケア方法は、氷などで冷やしたタオルを患部に当てる、薬用ローションやワセリンなどの軟膏を患部に塗るなどしてください。
ニキビのような赤いブツブツができる
カミソリで処理をした後に、ニキビのような赤いブツブツができた場合は、毛嚢炎(もうのうえん)を起こしている可能性があります。
毛嚢炎とニキビの違いは、毛嚢炎は肌に均一して起こり、ニキビのように隆起しないという点です。毛嚢炎をニキビと勘違いして治療薬を塗ってしまうと、炎症を悪化させる恐れがあります。
毛嚢炎になった場合のケア方法としては、肌を清潔に保ち、保湿ケアを行ってしばらく様子を見る、またカミソリの使用を控えるなどを行なってください。1週間程度様子を見ても症状が改善されないときは、専門医を受診しましょう。
カミソリ負けしやすい人の特徴ってあるの?
同じようにカミソリを使用していても、カミソリ負けをする人もいれば、しない人もいます。
以下に、カミソリ負けをしやすい人の主な特徴を紹介しますので、該当する人は注意してください。
刺激に弱い敏感肌の人
化粧品や洗顔料、紫外線などの外部刺激に対して敏感に反応してしまう敏感肌の人は、カミソリ負けをするリスクが高いと言えます。
敏感肌の人は、普通の人と同じケアをしていても、ほてり・かゆみ・痛み・かぶれなどの症状が現れることが多いです。なるべくカミソリの使用は控えた方が良いでしょう。
濃くて太い毛の多い剛毛体質の人
濃くて太い毛の多い、いわゆる剛毛体質の人もカミソリ負けを起こしやすいと言えます。
普段は毛に覆われて保護されている肌にカミソリをあてることが刺激になり、肌が赤みを帯びてヒリヒリする場合があります。
また、毛が太くしっかりしているため、カミソリでの処理時に毛穴が引っ張られてしまい、その結果炎症を引き起こしてしまいます。
普段は長所でも脱毛では短所になる色白な人
「色白は七難隠す」という言葉もあるように、普段は長所として捉えられることが多い色白の人ですが、脱毛に関してはあながち良いことばかりではありません。
色白の人は毛と肌のコントラストがはっきり出てしまうため、実際にはきちんと処理ができているにも関わらず、毛の黒い点々が気になって同じ場所に何度もカミソリをあててしまいがちだからです。
また、色白であるがゆえに、カミソリを当てた後、肌が赤みを帯びやすいというのも難点の1つです。
正しいカミソリの使い方
処理をする場所を清潔にする
カミソリをあてる前には、ムダ毛を処理する部分を必ず清潔にするようにしましょう。お風呂上りに処理をするか、それが難しい場合は、ウエットティッシュなどで拭くだけでも、肌を清潔にすることができます。
処理する部分が汚れていると、毛穴から汚れや雑菌が入り込み、炎症などの肌トラブルを引き起こしやすくなるため要注意です。
肌とムダ毛を温めて柔らかくする
毛や皮膚の表面はケラチンとよばれるタンパク質でできており、ケラチンは温めると柔らかくなる性質があります。
柔らかい毛はカミソリによる自己処理がしやすく、一度でキレイに剃りきることができるようになります。自己処理を行う前は安全に、そしてきれいに処理をするためにも、肌とムダ毛をあらかじめ柔らかくしておきましょう。
お湯に濡らしたタオルなどで処理したい部分を温めるだけでも効果的です。
シェービングクリームやジェルを使う
シェービングクリームやジェルを使用して肌の滑りを良くすることも、カミソリ負けの予防には効果的です。特に、薬用処方のシェービング剤は炎症を抑える効果や、毛を柔らかくする成分が多く含まれているため、よりカミソリ負けを防ぐ効果が期待できます。
ただし敏感肌の人の場合、シェービングクリームやジェルそのものにかぶれてしまう恐れもあるため、使用する際は成分表などをしっかりチェックしておくことが大切です。
二次的なトラブルを避けるためにも、無添加のものや、肌に優しい成分が配合されているものを選ぶようにしましょう。
毛の流れに沿って剃る
ムダ毛を剃るときには、毛の流れに沿ってカミソリを動かす「順剃り」で行うようにしましょう。
順剃りは、毛の流れに逆らう逆剃りに比べると肌への負担が少ないため、カミソリ負けをするリスクを減らすことができます。
習慣的に逆剃りをしてしまうという方は、最初から逆剃りをするのではなく、順剃りをしてから逆剃りを行うようにしてください。
また、剃る際には、力を入れ過ぎないことも大切です。
アフターケアはしっかりと
カミソリでムダ毛の処理をした後は、アフターケアをしっかり行いましょう。ダメージを受けた肌や毛穴を引き締めるために冷やしたタオルなどで患部を冷やし、クリームやローションを塗って保湿ケアをします。
アフターケアをしっかり行えば、カミソリ負けのリスクを大幅に減らすことができます。逆に、アフターケアを怠って炎症などを引き起こしてしまうと、治るまでに多大な手間がかかります。
この記事のまとめ
カミソリ負けは、事前の対策とカミソリの正しい使い方で防ぐことが可能です。
今回の記事で紹介したことを参考に、ぜひカミソリの正しい使い方もマスターしてください。
万が一、カミソリ負けを起こしてしまった時には、カミソリ負けの症状に合わせたケアを行い、ムダ毛の処理は一時的に控えて、症状が治まるのを待ちましょう。
改善策を試しても何度もカミソリ負けを繰り返すという場合は、電気シェーバーの使用や、脱毛を検討することをおすすめします。
電気シェーバーは肌に刃が直接当たらない構造になっているため、カミソリ負けを起こすことはありません。ただし、肌への負担は多少なりともありますので、ムダ毛を処理した後のケアはしっかりと行ってください。
また、脱毛サロンや医療脱毛クリニックで脱毛を行なってしまえば、自己処理をほぼない状態にすることもできるので、自己処理によるトラブルは激減します。
