脱毛は「毛周期」が大切!ムダ毛のサイクルと効果的な脱毛ペースの基礎知識
処理をしても毎日のように生えてくるムダ毛にうんざり…という人も多いと思います。
面倒だから脱毛サロンや医療脱毛クリニックで脱毛しようと決意して無料カウンセリングに行ってみたら、「毛周期」に合わせて2カ月~3カ月に1回のペースで通うことになると言われ、びっくりする人も少なくありません。
そんなゆるいペースじゃなく、もっと頻繁に脱毛をすることはできないのかと思うでしょうが、毛周期に合わせて脱毛を行わないと、効果的な脱毛が行えないのです。
一体この毛周期とは何なのか、分かりやすく説明しながら、毛周期と脱毛のペースに関しての基礎知識も伝えていきます。
毛周期とは
毛が生え変わるサイクルのこと
犬やネコなどを飼っている人は特に実感できると思いますが、体毛には一定の周期で生え変わるサイクルがあり、それを「毛周期」と呼びます。人間のムダ毛も例外ではありません。
毛周期は、成長期(成長初期~成長期中期・後期)、退行期、休止期と、大きく3つの段階に分けられます。まずは毛周期に関して詳しく説明します。
毛が誕生し、活発に伸びる「成長期」
毛周期の「成長期」は、さらに細かく2段階に分けられます。
◎成長初期
毛が生まれ、毛穴から伸び皮膚の上に出てくるまでの期間のことです。毛穴の中にある毛母細胞が細胞分裂し、新しい毛を誕生させ、その毛が少し伸びて皮膚の表面付近に出てきます。
◎成長期(中期~後期)
皮膚の表面付近まで伸びた毛が成長する期間です。毛母細胞が活発に細胞分裂を行うので、どんどん毛は伸び、栄養を与えられて太くなります。
成長が止まり、抜けやすくなる退行期
毛が一通りの成長を終え、抜け落ちていく期間です。
毛の成長の元となる毛母細胞の細胞分裂が止まり、毛母細胞に酸素や栄養を送り込む毛乳頭と毛母細胞の結合も弱くなり離れていくため、毛が抜けやすくなります。
毛がなくなり、次に毛が生えるまでの準備をする休止期
毛は成長できず抜け落ちるのを待ちながら、次に再び毛が生える準備期間です。しばらくその毛穴には毛がない状態が続きます。
光脱毛や医療レーザー脱毛は成長期の毛にしか効果がない
脱毛サロンでの光脱毛や医療脱毛クリニックでの医療レーザー脱毛は、毛の黒い色素(メラニン色素)に反応する光を照射し、毛根にダメージを与えて脱毛していきます。
つまり、退行期や休止期の抜け残った毛はメラニン色素が薄くなり、毛根細胞や毛乳頭と毛の結びつきが弱くなってしまっているため、光やレーザーに反応しにくく、効果が薄いと言えます。
照射の効果を十分に発揮できるのは、毛母細胞の細胞分裂が活発で、毛の色が黒い成長期の毛だけです。
毛乳頭や毛母細胞の位置と毛の構造詳細
先ほどから「毛母細胞」や「毛乳頭」と言った言葉が出てきますが、そもそも毛が生えている場所の構造はどうなっているのでしょうか?詳しく説明します。
毛幹
皮膚の上に伸びた、目に見える部分の毛のことを指します。
毛根
医学的には毛の根っこの部分だけではなく、皮膚の下にある部分はすべて毛根です。
毛包
毛根を包んでいる組織です。一般的には毛穴と呼ばれています。
皮脂腺
皮脂を分泌し、皮膚の表面の保護や保湿します。
立毛筋
毛根に付着する筋肉であり、寒さや恐怖で収縮すると毛幹を立て肌を鳥肌状態にします。
毛乳頭
毛細血管から酸素や栄養を取り入れ、毛母細胞に送り込みます。
毛母細胞
毛乳頭から酸素や栄養を取り込み、細胞分裂して毛を作り出します。
毛球部
毛乳頭と毛母細胞の総称です。
毛が生まれ、伸びるのは毛乳頭や毛母細胞が活発に働くからです。光脱毛や医療レーザー脱毛は、この毛が生える毛球部にダメージを与えることで毛の生える力を弱めることで脱毛を行っています。
毛周期は部位によっても異なる
各部位の成長期と毛の割合
ウデやワキの毛は頻繁に剃っているような気がするのに、ヒザ下はそうでもないかな…なんて、毛の伸びる早さが体の場所によって違うと感じたことがある人も多いと思います。
それは正解!毛周期は、部位によっても異なるのです。また、頭髪はぐんぐんと成長を続けますが、体の他の部分は成長期の毛は全体の20%前後しかないため、伸びる前に抜け落ちているのです。
各部位の成長期の目安と、成長期の割合をチェックしてみましょう。
◎各部位の成長期と休止期・成長期の割合の目安一覧表
部位 | 成長期 | 成長期の毛の割合 |
---|---|---|
頭髪 | 2~6年 | 85% |
VIO | 1~2年 | 30% |
眉毛 | 1カ月~2カ月 | 10% |
ワキ | 3~5カ月 | 30% |
腕 | 3~4カ月 | 20% |
足 | 4~5カ月 | 20% |
部位によって毛周期も、成長期の毛の割合も大きく異なっています。
例えば成長期の毛が20%しかない腕や足の脱毛を行った場合、すべての成長期の毛に光を照射するまでには、100%÷20%=5回が必要になります。
医療脱毛クリニックの脱毛プランの多くが5回セットになっているのは、成長期の毛を20%として考えられているからです。脱毛サロンの場合は、照射のパワーが小さいため、1回の照射では十分なダメージを与えられないため、12回~18回の回数が必要と言われています。
一般的に脱毛サロンや医療脱毛クリニックで推奨されている「2カ月に1度」のサイクルで脱毛を行うとすると、成長期の毛すべてに照射を行うためには{(2カ月×5回)-2カ月}=8カ月が最低でも必要となります。
※-2カ月としているのは、1回目の照射を始点(初月)として計算するためです。
部位により毛の伸びる早さも異なる
毛周期が違えば、毛の伸びる長さも違います。1日に伸びる毛の長さも異なります。
◎部位別 1日に伸びる毛の長さと1カ月後の毛の長さ
部位 | 1日に伸びる毛の長さ | 1カ月後の毛の長さ |
---|---|---|
頭髪 | 0.3~0.4mm | 9~12mm |
VIO | 0.2mm | 6mm |
眉毛 | 0.15mm | 4.5mm |
ワキ | 0.3mm | 9mm |
腕 | 0.2~0.4mm | 6~12mm |
足 | 0.2~0.4mm | 6~12mm |
ムダ毛は1日に0.2~0.3ミリ伸びます。自己処理をしても3~4日で1ミリほどになってしまうので、処理後にチクチクしてしまい、頻繁な処理が必要となります。
毛周期と理想の脱毛ペースとは
2~3カ月に一度の照射を勧める理由
先ほど毛の伸びる早さや長さなどを鑑みて考えると、毛周期の長いワキやVIOは3カ月に1度、毛周期の短い腕や足の毛は2カ月おきの処理でも大丈夫なはずです。
部位によって毛周期はさまざまなのに、なぜ多くの脱毛サロンや医療脱毛クリニック2~3カ月に1度の照射を勧めるのでしょうか。
実は、もし脱毛したい部位が1カ所だけなら、部位ごとの毛周期に合わせて通うのがいちばん効果的です。しかし複数の部位や全身脱毛を行う場合には、部位ごとに分けて施術をするとそのスケジュール管理は面倒にほかなりません。
数々の症例を見て、経験を重ねてきた脱毛のプロたちの意見の結集として、脱毛は2カ月~3カ月に1度のペースで行うのがベストであるとしているのです。
毛周期を無視して何度も照射しても肌に負担を掛けるだけ
何度もお伝えしてしまいますが、脱毛サロンの光脱毛や医療脱毛クリニックの医療レーザー脱毛の照射が有効なのは、成長期の毛のみです。
1度照射をした後、早く脱毛したいからとその後すぐに照射しても、全く効果を得ることができません。
しかも、ムダな照射を行ったことで照射の熱で肌にダメージを与えてしまい、さらに1回分の脱毛料金を無駄にしてしまうなど、全くいいところがありません。
脱毛の効果を高めたいなら、照射の頻度を上げるのではなく、脱毛前後にしっかりとケアを行ってください。脱毛前後のケアに関しては【脱毛後のケアは効果に直結】を参照してください。
期間を空け過ぎも禁物
仕事や学校、プライベートが忙しく、しかも人気の脱毛サロンや医療脱毛クリニックのため予約タイミングが合わず、前回の照射よりも4カ月から半年以上空いてしまうという状況は、特に脱毛初期には望ましくありません。
照射2~3回目までは、照射をするとスルッと抜けた毛が2週間程度で生えてきます。これは、1回目の照射時には休止期だった毛が、次々と成長期に入った合図です。
脱毛を初めて2~3回目までは、毛乳頭や毛母細胞に効果的にダメージを与えるためにも、しっかりと指定の期間で通えるようにしてください。
生える毛が少なくなってきたと脱毛の効果を感じられるようになってきたら、少し周期がずれたとしても効果にさほど影響がでなくなります。
優先的に予約が取れる制度に注目
2~3カ月に1回の予約…が、人気脱毛サロンや医療脱毛クリニックではなかなか自分のタイミングと合わず、難しい場合があります。そんなときには、優先予約枠のある脱毛サロンや医療脱毛クリニックがおすすめです。
キレイモは、月額制と回数制で照射を行っていますが、回数制の人の方が優先的に予約を受け付けています。
ミュゼは「ミュゼスターメンバーシップ」(入会金3万円)に加入すると、専用ダイヤルから毎月3回分の優先予約ができ、割引などの特典も受けることができます。
リゼクリニックでは一般的な脱毛サロンや医療脱毛クリニックで設けられている初心専用枠を廃止し、現在院に通っている人が優先的に予約を取れるようにしています。
無料カウンセリングなどをうけた際に、優先的に予約が取れる制度やプランがあるのか、ぜひ確認してください。
脱毛終盤は3カ月以上間隔を空けることも
脱毛が進んでくると、照射してから次の毛が生えてくるまでに長い時間がかかるようになります。
この段階まで脱毛が進むと、2~3カ月のペースで照射するよりも、毛が生えそろうまで待って照射した方がより高い効果が得られるとして、脱毛サロンや医療脱毛クリニックから3カ月以上間隔を空けることを勧められる場合があります。
早く終わらせたいのに…と思うかもしれませんが、しっかりと残りの毛が生えそろってから一気に照射したほうが効率も高くなります。焦らずじっくり、無駄なく脱毛を終わらせるようにしましょう。
脱毛期間中は毛抜きと日焼けに要注意
照射後、スルリと抜ける毛が面白くて指で引き抜いたり、本数が少ないからと毛抜きなどでムダ毛を抜いたりしては絶対にいけません。
自然に抜け落ちるのを待たずに脱毛後の毛を抜いてしまうと、毛乳頭から毛を無理に引きちぎることになるため、毛周期が狂ってしまい、脱毛効果が薄くなります。
ムダ毛を処理したいなら、電気シェーバーで肌を傷つけないように優しく行うのがおすすめです。
また、光脱毛も医療レーザー脱毛も、毛の黒い色素であるメラニン色素に反応しますが、実は日焼け肌の原因もメラニン色素です。
日焼けをした肌に照射すると、肌の内部(毛穴内の毛)ではなく、肌の表面で反応してしまうため、ヤケドなどのリクスが高くなります。
毛を無理に抜かないこと、日焼けしないことをしっかりと守ってください。
この記事のまとめ
効果的に脱毛をするためには、毛の生え変わるサイクル「毛周期」に合わせて、光や医療レーザーを照射することが大切です。
毛周期を守らずに照射しても効果は望めないどころか、ヤケドや肌トラブルの原因になります。
脱毛サロンや医療脱毛クリニックがすすめる2~3カ月に1度というペースを守り、しっかりと脱毛をおこなってください。