脇脱毛でワキガが治る?ニオイが悪化する?脇脱毛のうわさを徹底調査

公開日:2018/05/07 更新日:2019/03/27

夏のおしゃれはもちろん、毎日の処理も手軽になると人気の「ワキ脱毛」ですが、脱毛サロンや医療脱毛クリニックで脇脱毛を体験した人の口コミを見ていると、真っ二つの意見を発見。

脱毛してワキガが解消されたという人と、脱毛してワキガになってしまったと後悔している人がいるのです。ワキガが治るならいいですが、ワキガになってしまうなんて心配ですよね。

どちらの意見が本当なのか、うわさの真相を探っていきます。

脱毛でワキガが治る…はある意味ホント

結論から言うと、脇脱毛をすることで、ワキガが完全に治るということはありません。

しかし、脇脱毛をすることで汗やニオイが少なくなり、ワキガが改善されることはあります。

これから、なぜワキガが改善されるのか、詳しく検証していきます。

脱毛でワキガや脇汗が軽減される理由とは

脱毛サロンでの光脱毛や、医療脱毛クリニックでの医療レーザー脱毛は、毛の黒い色素(メラニン色素)に反応する光を照射し、その光を熱エネルギーに変換させ、毛根にダメージを与える方法です。

つまり、毛穴全体が熱エネルギーによりダメージを受けることになるため、毛穴に繋がっているアポクリン腺にも少なからずダメージがあると想像できます。

そして、アポクリン腺にダメージを与え発汗を抑制することができるため、ワキガの改善や脇汗の軽減に効果が期待できるというわけです。

医療脱毛クリニックにより、脱毛は汗腺にまったく影響がないとしている場合もありますが、どちらも医学的根拠はまだありません。

しかしそればかりではなく、汗は毛があることで留まり、蒸散します。また、毛の根元には皮脂や汚れが溜まりやすいです。ワキガはアポクリン腺から分泌された汗が、皮脂や汚れを栄養源として雑菌が繁殖し分解する過程で発生します。

ムダ毛がなければ、汗は留まることがなく、皮脂や汚れも引っかかる部分がないので溜まりにくくなります。肌の表面にとどまり雑菌を繁殖させることもできなくなるため、ワキガの改善が見込めるのです。

自己処理などではあまり効果なし

脱毛にはたくさんの種類があります。脱毛サロンで行われる光脱毛や医療脱毛クリニックで行われる医療レーザー脱毛のほか、ニードル脱毛(電気脱毛)、ブラジリアンワックスはもちろん、自宅で行うカミソリや毛抜き、除毛クリームや電気シェーバーが挙げられます。

しかし、ワキガの改善に効果があると思われるのは、光脱毛と医療レーザー脱毛だけです。

ニードル脱毛は毛穴の中に針を差し込むため、同じような効果が認められそうですが、毛穴全体に熱を伝えるのではなく、毛根(毛乳頭)にピンポイントで熱を加えるため、ワキガの改善には効果が薄いと言えます。

他の脱毛方法に関しても、アポクリン腺にダメージを与える脱毛ではないので、ワキガの改善という意味では期待が持てません。自己処理に関しては、肌を傷つけ、状況を悪化させる可能性もあります。

ただし、ニードル脱毛とブラジリアンワックスに関しては、毛穴の中から毛がなくなり、毛穴が引き締まるという観点で、ワキのニオイの軽減には期待できます。

ワキガは脇のニオイと違う

ワキガは「腋臭症(えきしゅうしょう)」とも呼ばれ、汗によるワキのニオイとはかなり異なり、下記のように表されることが多いです。

ワキガのニオイ…ネットでの表現を拾ってみました。

・ねぎ系の植物が腐ったツンとした刺激臭
・お酢のようなトガッた感じの酸っぱいニオイ
・牛乳を拭いてそのまま放置した雑巾
・魚が長く放置されたような腐敗臭
・鉛筆の芯のような鉄っぽいニオイ
・香辛料(クミン)に似たスパイシーなニオイ

ワキガの臭いは個人差があり、鼻の奥をツンとさせる刺激臭や、腐敗臭、スパイシーなニオイなど、すべての人が同じではないようです。

しかし、どのコメントの人も“遠くからでも一発で分かる。単なる汗臭いニオイとは違う”としていました。

日本人の10人に1人はワキガ体質

世界的に見ると、日本人のワキガ率はかなり少ない方です。

白人は80%、黒人は100%がワキガと言われているなかで、日本人は10%です。しかも、この割合も、ワキガが発症する可能性があるという数字であり、実際にワキガの人は2~3%ぐらいなのだそう。

この違いは、食文化の影響が大きいようです。肉類など高カロリー&高脂肪の食べ物は、皮脂腺やワキガの原因となるアポクリン腺の働きを活発にする作用があります。

そのため、日本人はこれからワキガになる人が多くなると言われています。しかしこれは、ワキガ体質を持つ10%の人が20%になるのではなく、発症している2~3%が、限りなく10%に近づくということです。ワキガは生まれつきの体質によるところが多いためです。

次は、ワキガが発生する原因などを説明します。

ワキガ臭が発生する原因

人間は「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2つの汗腺を持っています。先程もお伝えしましたが、ワキガの原因はアポクリン腺から分泌される汗です。

エクリン腺は全身に万遍なく広がる汗腺ですが、アポクリン腺は両脇や乳輪、デリケートゾーン(VIO)、へそ周り、耳の後ろなど特定の場所に位置しています。

エクリン腺

エクリン腺から出る汗は99%が水分であり、残りの1%が塩分、尿素、アンモニアです。汗を舐めるとしょっぱいのは、エクリンさんから分泌された汗になります。ほぼ無臭で、雑菌が繁殖しにくい性質があります。

主に体温のクールダウンを行うために汗を分泌させますが、ストレスを感じたり、緊張したりする時の汗もエクリン腺から分泌されます。

アポクリン腺

アポクリン腺から放出される汗には脂質や糖分が多く含まれ、白っぽく粘り気があります。分泌されたばかりの汗は、意外かもしれませんがニオイはありません。この汗が皮膚の表面で酸化したり、雑菌により分解されたりすると、悪臭を発生させます。これがワキガの原因です。

この時に発生するニオイはフェロモンとして作用するとも言われますが、現代社会においては嫌悪感を覚える人の方が多いです。

アポクリン腺は脇以外にもあるので、他の部分からはワキガのようなニオイは発生しないのか…というと、実はVIO付近でワキガのようなニオイを発する場合には「すそわきが」と呼ばれています。

2つの汗腺の違いは成分の違いであり、雑菌を繁殖させるか否かです。どちらも汗にニオイはないのですが、汗に含まれる成分によって雑菌が繁殖し、ワキガ臭が発生してしまいます。

汗が分泌されるメカニズムをもっと詳しく知りたい人は、【脇脱毛で汗が増える!?脇汗の仕組みから脇汗&ニオイ対策の方法まで】を参照してください。

自分でできる簡単セルフチェックでワキガ体質か調べてみよう

体臭は自分ではよく分からない、ワキガ体質がどうか心配という人も多いと思います。

自分がワキガ体質なのか、そうじゃないのかを簡単に判断できるセルフチェック方法と、日常から分かる見分け方を紹介します。

ワキガのセルフチェック方法

用意するもの

綿棒
どんな綿棒でも構いません。細いタイプよりは、通常の太いタイプの方がおすすめです。

チェック方法

1:綿棒で耳の中を1回こする
2:綿棒に付いてきた耳垢の状態をチェックする

判定

◎カサカサした耳垢が付着

ワキガではありませんし、ワキガ体質でもありません。もし今、脇のニオイが気になるのであれば、通常の汗ケアを行ってください。

詳しくは【脇脱毛で汗が増える!?脇汗の仕組みから脇汗&ニオイ対策の方法まで】を参照してください。

◎綿棒が湿った

軽度から中度のワキガ体質です。

ワキガ体質ということだけなので、ワキガが発症しているというわけではありません。

心配であれば皮膚科などの専門医を受診し、ワキガが発症しているか確認してください。

◎キャラメルが溶けたような茶色い耳垢が付着

重度のワキガ体質です。

ただしこの場合も、ワキガ体質ということだけなので、ワキガが発症しているというわけではありません。

脇から鼻を刺激するようなニオイや、下記のワキガ体質チェックポイントに当てはまる場合には、ワキガは発症していると言えます。

ワキガ体質チェックポイント

上記のセルフチェック項目がいちばん確実ですが、少し自分の身の回りのポイントをチェックするだけでも、ワキガ体質か、ワキガが発症しているのかを知ることができます。

白い服やアンダーシャツのワキ部分が黄ばむことが多い人は、ワキガ体質の可能性が高いです。

アポクリン腺から出る汗にはタンパク質や脂質が含まれているため、洗濯をしても落ちきらずに徐々に酸化し、洋服を黄色く変色させます。

ただし、デオドラントスプレーなどの制汗剤の使用で衣類が黄ばむ場合もあります。

脇だけではなく、背中などアポクリン腺がない部分も黄ばんでいる場合には、ワキガ体質の可能性が低くなります。

耳の中の毛が太くて多い

耳の中にもワキガの原因となる汗を分泌するアポクリン腺があり、そのアポクリン腺は毛根の入口付近に存在するためです。

耳の中の毛が太く、毛量も多い人はワキガ体質の可能性があります。

しかし、耳の中は自分で確認することが難しいので、身近な人に耳の中を覗いてもらい、確認してください。

脇毛が濃く、毛量も多い

脇毛とアポクリン腺の関係は、性別によって異なります。

女性の場合、毛の太さが他の部位の毛よりもしっかりしていて、1つの毛穴から2本の毛が生えているような人は、アポクリン腺が多く存在し、ワキガ体質である可能性が高いです。

男性の場合は、やわらかい毛が広範囲に生えている人に、アポクリン腺が多いといわれています。

また、アポクリン腺が存在する他の部位、陰部や肛門、乳輪などに生えている毛が濃いか薄いかも、ワキガ体質を見分ける参考になります。

脇毛に白い粉がついていることが多い

制汗スプレーなどをなにもつけていないのに、脇毛に白い粉がついている場合は、ほぼ間違いなくワキガ体質と言えます。

その白い粉の正体は、アポクリン腺から分泌された汗が結晶となったものだからです。

両親または親のどちらかがワキガである

ワキガ体質は30%程度の割合で遺伝すると言われています。親がワキガ体質である場合、ワキガ体質の可能性は高くなります。

脱毛したことでワキガが悪化することはない

結論から言えば、基本的にムダ毛がなくなればニオイは軽減されます

そして、脱毛サロンでの光脱毛でも、医療脱毛クリニックでの医療レーザー脱毛でも、ワキガの原因となるアポクリン腺へのダメージを与えるものの、汗腺を増やすなどはしません。

脱毛前はなんともなかったのに、脇脱毛をしたことでニオイが強くなったと感じたなら、それは脱毛が原因ではなく、脱毛後の精神状態や肌状態に問題があると考えられます。

精神性発汗を起こしている

脱毛した後、自分の脇から汗が流れることを感じるたびに「汗が増えたかも知れない」「ニオイは大丈夫かな」と心配し、ストレスが高まると「精神性発汗」を起こし、脇汗を増やしてしまいます。

精神性発汗の汗は、通常の汗よりも凝縮されているため、ニオイが強くなるとも言われています。

脱毛後多汗症になっている

「脱毛後多汗症」とは、脱毛時に今まで以上に汗が出やすい状態になることです。

原因は不明ですが、ほとんどの場合は一時的なもので、数日から数週間で自然に治っていきます。

毛穴に詰まった皮脂や汚れがニオイの原因

最も有力とされているのが、この「毛穴に溜まった皮脂や汚れが酸化し、ニオイを発生させている」という考えです。

脱毛を行うと毛がなくなるので、毛穴は引き締まってきます。しかし、脱毛直後からすぐに毛穴が引き締まるわけではありません。

しっかりケアを行わないと、毛穴は開いたままの状態になってしまい、その開いた毛穴から皮脂や汚れが入り込み、毛穴を詰まらせてしまいます。

毛穴が詰まった状態でかく汗には、その皮脂や汚れがまとった状態になってしまうため、ニオイもきつくなり、洋服を黄色くしてしまうようと言われています。

もし脱毛後にニオイが強くなったと感じたら、脇に汚れが詰まっていないか確認してみましょう。詰まりを発見したら、角栓ケアを行うか、ひどい場合には皮膚科などを受診し取り除いてもらいましょう。

自分でできる脇の角栓ケア

脇の毛穴の詰まりを発見したら、お風呂で角栓ケアを行ってください。方法は簡単です。

●用意するもの
洗顔用クレンジング(オイルクレンジング)

●角栓ケアの手順
※オイルクレンジングを使用した場合

1:手のひらにオイルクレンジングを出し、手でオイルを温めながらワキに塗る。2:円を描くようにゆっくりとなじませる。
3:少量の水を手に取り、優しく乳化させる。
4:乳化後30秒程度クルクルとなじませたら、反対側のワキも同様の手順で行う。5:ぬるめのお湯で洗い流す。
6:洗顔料、もしくはボディソープをよく泡立て、優しく洗い、ぬるま湯で流す。7:ワキの毛穴を閉じるように保湿をしっかりと行う。

オイルクレンジングは肌に想像以上の負担をかけてしまうため、乳化をしっかりと行うこと、保湿をして毛穴を引き締めることを意識してください。

ワキガでも脱毛サロンや医療脱毛クリニックで脱毛は可能か

ワキガの嫌なニオイを少しでも軽減したいと思っても、ワキガの人は脱毛サロンや医療脱毛クリニックでの照射ができるのでしょうか。

答えはYES!ワキガだからという理由で契約を断られることはありません。

脱毛サロンや医療脱毛クリニックで脱毛する当日は、赤ちゃんのおしりふきなど余計なものの入っていないウェットティッシュを使用して清潔にし、制汗剤などは使用せずに向かってください。

肌が不潔であったり、制汗剤などが付着していたりすると、脱毛効果が薄れる、やけどのリスクが高くなることがあります。

この記事のまとめ

「脇脱毛をするとワキガが治る?」という件に関しては、脱毛はあくまでも毛を減らす行為であり、治療ではないので、治すとは言えません。

「ニオイが悪化する?」に関しては、悪化することはありません!毛がなくなるで雑菌の繁殖を防ぎ、光を照射することでワキガの原因となるアポクリン腺へ多少のダメージを与えるため、ニオイは軽減します

また、脱毛後のケアをしっかりと行わないと、ニオイが強くなることがあります。脱毛後はこまめに汗を拭き取り、毛穴を引き締めるしっかりと保湿を行ってください。

ワキのニオイが気になって、ワキガではないのに心配が重なり、ストレス性の「精神的発汗」を引き起こす人もいます。

今回の記事のチェック項目で自身がワキガ体質かそうでないかをしっかりと判断し、心配な人はワキガ治療も行える医療脱毛クリニックでの脱毛を選択してください。

この記事を書いた人
ako
ako
ニードル脱毛は3本で断念。光脱毛や医療脱毛、ブラジリアンワックスに糸脱毛と、国内で行われている脱毛方法はほぼすべて網羅。 これまで書いてきた脱毛に関する記事は1000を超える。ちまたでは「脱毛ライターのプロ」って呼ばれているのさ(自称)。